相続人同士の仲が悪いと、遺産分割協議の成立は難しい

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要です。

つまりは、話し合いによる解決ですが、これがとても難しいです。

分割内容の公平さを担保するのも難しいですが、なにより相続人同士が信頼し合えるかどうかが重要です。

相続人同士で信頼できないなら、話し合いは不可

原則として、相続人同士で信頼ができないなら、話し合いで決着するのは難しいでしょう。

話し合いである以上、どこかで他の相続人を信頼しないと成り立たないので、

・信用の置けない人

・疑り深い人

が一人でもいると、話し合いでの成立は困難を極めます。

法的な義務が無くても、疑いを晴らせるように証拠を用意して説得し、信じてもらえればベストですが、病的に猜疑心が深くなっている場合は難しいでしょう。

「遺産を着服しているのではないか?」

「開示していない遺産があるのではないか?」

「騙そうとしているのではないか?」

「ほかの相続人と示しを合わせて、こちらの不利になるよう動いているのではないか?」

「口座解約や不動産売却した後、分配せずに独り占めするのではないか?」

等、妄想的な疑念に取りつかれるケースもあります。

過去の相続・遺産分割でトラブルになった過去がある

過去の相続・遺産分割時にトラブルになっていると、次の相続・遺産分割時にトラブルになります。

例えば、父親の相続・遺産分割の時に全員が納得する方法で納めていないと、次に母親の相続が発生した時に、一気に不満が噴出し、合意どころではなくなります。

例えば、同居の長男に対しては、

「同居の長男が故人のお金を着服した」

「同居の長男がそのまま家に住み続けて不公平だ」

等と言う不平不満が上がる一方で、

「嫁に行った次女は故人の病院代を負担しなかった」

「葬儀の手配、費用、寺や墓など、だれも手伝ってくれなかった」

という不満も上がります。

一つ前の相続を「臭いものに蓋」的に”とりあえず”終わらせていると、次の相続がその分トラブルに見舞われます。

尊属(父や母)不在で兄弟姉妹だけの相続はトラブルになりやすい

例えば、父がなくなり、母が存命の場合の相続では、親である母の存在によって、ある程度相続人の合意形成ができるケースが多いです。

相続人皆ある程度不満があっても、高齢の母に配慮し、我慢するためです。

ですが、次に母が無くなると、兄弟姉妹はだれにはばかることも無くなるため、各々が自分の意見を声高に主張し、利益の最大化を図ります。

兄弟姉妹だけ、叔父叔母と甥姪、従兄弟となるにつれて、関係も希薄になり、他人に近くなっていくため、話はまとまりづらくなります。

他の相続人が立てた代理人弁護士も敵

仲が悪い場合、ほかの相続人が立てた代理人弁護士も、敵とみなすことが多いです。

もちろん、弁護士は依頼者の利益の最大化を図るため、公平でも中立でもありませんが、いっそう態度を硬化させます。

公平な方法としては、相続人全員と契約を交わし、全員から報酬を受領した行政書士が、公平、客観的、中立な立場で遺産分割案を提示し、話し合いをファシリテートし、書面作成まで行うことかと思います。(もっと言えば、遺産分割協議完了後の分割・清算手続きのフォローまで。)

ですが、残念ながら相続人間での猜疑心が抜きがたい場合は、「ほかの相続人から裏金を貰っていて、公平中立を装っていながら、その人に有利になるように動いているに違いない」と言われることさえあります。

その場合は、費用とお金をかけて遺産分割調停を申し立てるか、相続放棄をするか、持ち分だけ処分して抜けてしまう方がいいのかもしれません。

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