相続した空き家を民泊に出すのは簡単だが難しい
相続した空き家についての相談の中で、
「賃貸」「民泊」にしたらどうか。
という話をいただくことがあります。
ですが、相続した空き家を賃貸、民泊に
転用するのは簡単ですが、
多くの場合利益をだすのは難しいと思います。
民泊を推奨する行政書士等のビジネス
相続した空き家の利活用方法として
民泊を推奨する行政書士もいます。
東京都の空き家利活用事業のセミナーでも
民泊を推奨する行政書士が登壇することがあります。
行政書士としては
・新法民泊の申請業務が受任できる
・リフォーム業者をあっせんできる
・リフォームローンをあっせんできる
・民泊管理会社をあっせんできる
というメリットがあります。
申請業務単体では利益は大きくないとしても
周辺業者からのあっせん手数料を入れると
かなり大きなビジネスとなります。
相続した空き家が民泊として成り立つ条件
いわゆる民泊新法が制定されましたが、
新法民泊で利益を出すのは難しいです。
相続した空き家は、取得費がゼロという大きな利点があります。
しかし、空き家を民泊として申請するためには
そのままではダメで、ある程度の設備が必要です。
まずお金をかけてリフォームをする必要が出てきます。
そして、新法民泊は
家主が住んでいるホームステイ型と
家主は別の場所にいるホスト不在型がありますが
ホスト不在型なら管理会社が必要になります。
また、最大でも年間180日しか稼働できない事、
2泊以上でないと不可である事
というネックもあります。
さらに、民泊の客層が、
「田舎の古民家にホームステイしたい人」
なのか
「できるだけ宿泊費を抑えたい人」
なのかにもよりますが、
通常の都市部の空き家は、その需要を
満たせるのかは疑問です。
都市部の駅近マンションをホスト不在型で回せば
管理費、修繕積立金、固定資産税はねん出できるでしょう。
観光地の古民家をホームステイ型で回せば
利益が出るでしょう。
ただ、多くの普通の都市部の空き家を
リフォームして民泊にしても
そう簡単に儲かるものではありません。
ふつうの賃貸でさえ管理が大変なのに、
短期間で不特定多数の外国人が出入りする
民泊は、決して簡単ではないでしょう。
最悪の場合、リフォームローンと
活用できない空き家だけ残ります。
また、犯罪の現場になることさえあります。
相続した空き家の民泊化は、周辺業者が儲かる
相続した空き家の民泊化は、
所有者よりも、その周辺業者が儲かります。
・申請手続きをする行政書士
・リフォーム会社
・リフォームローンを貸し出す銀行
・民泊管理会社
・民泊あっせん会社
この周辺業者を儲けさせたうえで、
所有者も儲かるのは難しいです。
所有者が儲かるのであれば、私もお勧めしますが
今のところは責任を儲かる持って儲かると
太鼓判を押せる空き家と出会ったことはありません。
宅地建物取引士としても、
民泊はやめておいたほうが良い。
この空き家なら売ったほうが良い。
となることがほとんどです。
円安・オリンピックが終わると、来日観光客は減る
円安政策や、2020年のオリンピックが終わると
来日観光客は減少するでしょう。
来日観光客の受け皿として瞬間的に増えた民泊は
かなり厳しい状況になると考えられます。
相続した空き家の前提は売却。条件が合えば活用
相続した空き家は、第一に売却を考えるべきです。
条件が合えば、賃貸、民泊、駐車場等、活用方法を考えてもいいでしょう。
相続した空き家の相場を知りたい。
でも、直接不動産屋と連絡すると、営業がきそうで気後れする。
そういう場合は、代理で査定書の取得も可能です。
お気軽にご相談ください。